[アップデート]Amazon Connectは、12個のリアルタイムメトリクス値がサポートされ、値に応じてアラート通知できるようになりました
はじめに
Amazon Connectは、リアルタイムのメトリクス値に基づいて、アラート通知できるようになりました。
どのようなメトリクス値が利用できるかは、後述しますが、リアルタイムメトリクスに基づいてアラートするユースケースは、以下が挙げられます。
- 平均保留時間の監視:
- 顧客が保留状態で待たされている平均時間を監視します。この時間が一定の閾値を超えた場合、マネージャーにアラート通知し、顧客体験の低下を防ぐための改善策を早急に講じることができます。
- 平均対応時間の監視
- 各エージェントがコンタクトの対応に平均してどれくらい時間を要しているか監視します。この時間が一定値を超えた場合、マネージャーに通知し、エージェントへのトレーニングや、より効率的な対応方法を検討したりできます。
- 長時間休憩中のエージェントの監視
- あるエージェントが1時間以上休憩している場合、管理者にメールが送信します。これにより、他のエージェントの負担増加や顧客対応の遅延を招く事態を防ぐことが可能です。
- 稼働可能なエージェント数の監視
- 稼働可能なエージェントの数が指定した閾値以下になった場合、マネージャーに通知します。これにより、予期せぬスタッフ不足や急な需要の増加に迅速に対応できます。
アップデートアナウンスはありませんが、公式ドキュメントの変更履歴によると9月20日よりこの機能が使えるようになったようです。
リアルタイムメトリクスのアラート通知のルール作成に関するドキュメントが追加されていました。
リアルタイムメトリクス
Connectのコンソールから[分析と最適化]の[ルール]に遷移します。
ルール作成にリアルタイムメトリクス
が新しく追加されています。
イベント内容
以下の3つイベントに対して、リアルタイムメトリクスが設定できます。
- キューのメトリクスが更新
- ルーティングのプロファイルメトリクスが更新
- エージェントのメトリクスが更新
キューのメトリクス
特定のキューに対して、設定できるメトリクスは、以下の8つです。
- リアルタイム
- キューに保存されたコンタクト数: キュー内のコンタクトの数
- 最も古いコンタクト期間: キュー内の最も古いコンタクトの期間
- 稼働可能なエージェント: コンタクトを処理できるステータスのエージェント数
- 時間の追跡期間(選択した時間範囲で集計されるメトリクス)
- 平均処理時間:エージェントが1つのコンタクトに対応する平均時間
- 平均キュー応答時間:エージェントが応答するまでに問い合わせがキューで待機した平均時間
- 平均やりとり時間:エージェントの対応時間と顧客の保留時間の合計の平均時間
- 平均保留時間:顧客が保留状態で経過した平均時間
- サービスレベル:キューに追加されてから、指定時間中にキューから削除されたコンタクトの割合。
複数のメトリクスを全て条件に追加することも可能です。
ルーティングプロファイルのメトリクス
特定のルーティングプロファイルに対して、設定できるメトリクスは、以下の1つです。
- リアルタイム
- 稼動可能なエージェント: コンタクトを処理できるステータスのエージェント数
エージェントのメトリクス
特定のルーティングプロファイルに対して、設定できるメトリクスは、以下の3つです。
- リアルタイム
- エージェントのアクティビティ: [Available]、[Offline]、[休憩中] などのエージェントの特定のステータスの経過時間
- 時間の追跡期間(選択した時間範囲で集計されるメトリクス)
- 平均処理時間:エージェントが1つのコンタクトに対応する平均時間
- エージェント利用率:エージェントがコンタクトでアクティブになっていた時間の割合
試してみた
今回は、エージェントのメトリクスのうち、エージェントのアクティビティを使用し、hirai
というエージェントのステータスがOffline
で1分以上経過したら、特定のアクションを実行するよう設定します。
アクションは、タスクの作成、Eメール通知、EventBrideイベントの中から選択できます。
今回は、管理者にEメール通知を行います。
最後に、ルール名を記載し、保存します。ルール名はAgent_status_remains_Offline
にしました。
名前には、A~Z、0~9、または「.」、「-」、「_」のみ使用できます、日本語やスペースは利用できません。
作成できました。
問い合わせコントロールパネル(CCP)を起動し、ステータスをOfflineにします。
リアルタイムメトリクスから、エージェントのOfflineステータスが1分を超えたことを確認します。
管理者に以下のメールが受信されました。
最後に
今回のアップデートによって、リアルタイムのメトリクス値に基づき、アラート通知できるようになりました。
アラート通知ルールで使用できるメトリクス値は、現在12個もあります。
冒頭にユースケースを上げましたが、他にも色々な場面で利用できますので、業務効率化などを目的に、ぜひ利用してみてください。